大学のあり方:ビジネス系大学教育における質保証(4)

Book Review Contribution University

幸いにも(?)私の場合は、目に見えるような学習意欲の低下はありませんでしたが、ふとした気の緩みで学習意欲が失われる可能性は充分にありました。

「とにかく大学に入りさえできればいい、学習する分野は何でもいい」という考えでは、私と同じあるいは私よりも悲惨な結末が待っているのです。

ここからは意見の分かれるところなので、個人的な意見として読んでいただければ幸いです。まったく脈絡のない事柄を書いておきます。これらはいずれ深く考えることにします。

大学卒業という扱いについて
定義の問題なのかもしれませんが「大学卒業」は学歴です。大学卒業の際に得られる「学士」は学位です。資格ではありません。現在の日本の社会では、学歴を人物評価の項目として用いることが多いので、資格の一種に整理されるのかもしれません。ただ、私の中では違和感を覚えます。

むしろ学位を「資格」であるとするならば、大学側はその質の向上に努めるべきでしょう。大学で学ぶべき内容を学ばないで、学位を付与することは社会に対する背信行為ですね。

放送大学について
放送大学の大学機関別認証評価報告書をみると、放送大学の4年在籍卒業率は26%とのこと。

平成22年度実施大学機関別認証評価報告書
http://www.ouj.ac.jp/hp/gaiyo/pdf/ninsyohyoka_kijun.pdf

正直なところ、時折垣間見る放送大学の授業から、どうやったらこれだけの卒業率を得られるのでしょうかね。疑っているわけではなく、その秘密を解明したいと思っただけです。

ちなみに通信制の大学の卒業率は通学制と比較して格段に低いです。放送大学の26%というのは、その中でなかなか健闘している数字です。

そもそも放送大学は「教養学部」を設置している大学です。「社会と産業」とか「人間と文化」のようなコース別に分かれているものの、「生涯学習=教養に触れる」というスタンスでのカリキュラム編成です。

私見ですが、大学で学ぶことにより得られるものは、3つに大別できます。

  1. 学位(大学卒業という学歴)
  2. 大学で学ぶレベルの教養
  3. 大学で学ぶレベルの専門知識

上記のうち、大学で何を得たいのかによって選ぶ大学も異なりますし、大学が提供するものも変化するでしょう。

私自身はビジネス系の教員として「3.大学で学ぶレベルの専門知識」を重視しています。逆に言えば専門知識が不要ならば、放送大学で学ぶ方が合理的です(あの授業の進め方でよいのならば)。

大学側の目線で言えば、これはポジショニングの問題なのです。

 


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