積算と見積精査:行政機関の情報システム調達における積算業務は妥協の産物か(1)

CIO Contribution

ここで気になるのは、委託経費の妥当性です。
地方公共団体の予算は地方自治法に基づく単年度主義ですので、何らかの事業(情報システムに関する事業も例外ではありません)を行う場合には、その費用は年度中の予算内で賄わなければならないのです。

「それは常識でしょ?」

そうかもしれませんが、一般の方にはここから説明しないと理解してもらえません。

つまり何らかの情報システムの開発、運用、保守を委託するためには、予算策定時までに、これらにかかる費用を大筋で決めておかなければならないのですね。

地方公共団体の事業年度は4月から翌年3月までです。この事業年度中に執行する事業の予算は、前年度の2月頃に開催される議会(予算委員会)で承認されます。

ということは、さらに遡ること12月頃に庁内での予算を財政課という部署がまとめ、予算案を作成します。そのために、9月頃には翌年度の事業内容を決め、どの程度の費用が掛かるのかを調べておく必要があります。

来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、多くの地方公共団体では鬼が笑いっぱなしです。

#補正予算というのもあるのですが、ここでは省略します。

前述のとおり、庁内の事業にどれぐらいの予算を充てるかを決めるのは、財政課の仕事です。事業を執行する部門は、財政課と協議して翌年度の事業内容や事業規模を決めることとなります。

予算のサイクルをご理解いただいたところで、本題に戻りましょう。

自治市に限らず、多くの地方公共団体では財政課の担当が情報技術に関する素養がない(とされている)ことから、情報政策関連の部門に事業委託経費の妥当性をチェックするよう依頼しています。

例えば、情報システムを新たに開発するために、100万円かかるのか、500万円かかるのかと言った「目利き」をお願いするわけですね。この目利きに関する作業をここでは「積算」と呼ぶことにしましょう。

#イントロダクションだけで終わってしまいました。続きは次回。

 


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