テレプレゼンスロボット
当社は新しい働き方の一つの手段として「テレプレゼンスロボット」を提案しています。
テレプレゼンスロボットを使うことで、これまで課題となっていたテレワークにおける労務管理の問題、コミュニケーションの隔たりの問題を解決することができると考えています。
テレプレゼンスロボットとは?
Web会議+遠隔操作ロボット
テレプレゼンスロボットとは、Web会議システムに加えて、遠隔操作で端末(多くはタブレット)を動かすことができるロボットの一種です。
Wikipediaによると「リモートコントロールとロボット技術を組み合わせて人が遠方からある場所で存在(プレゼンス)させることができる技術である。」とあります。
「それだけ?」と思われるかもしれませんが、この単純な発想がコミュニケーションの質を大幅に改善できることが知られています。
なぜテレプレゼンスロボットなのか?
テレワークのツールとしてWeb会議システムは少しずつ浸透しています。すでに私が関与した自治体ではWeb会議システムが当たり前のように使われる状況となっています。
しかしながら、Web会議システムはあくまでも「会議」をWeb経由で行うツールであり、会議を離れた後のコミュニケーションを補ってくれる仕組みではありません。抽象的な言い回しですが、Web会議に参加する場合はネットワーク空間上の会議室にお互い入室し、終わると会議室を出るようなイメージを持っています。少しよそよそしい感覚になることがあります。
また実際の自治体の現場では会議という形態ではなく、ちょっとした情報共有や相談、意思疎通(たまにはムダ話)を重ねることで物事を進めたり問題を解決することがあります。理屈の上ではWeb会議システムでも可能なのですが、どうもしっくりこないのです。事件は会議室で起こっているのではなく、現場で起こっているのです(どこかで聞いたフレーズ)。
テレプレゼンスロボットは、オフィスの中に「存在」することで、対話の空間をネットワーク上ではなく現実世界に引き寄せる効果があります。
ノンバーバルコミュニケーション
「ノンバーバル・コミュニケーション」(non-verbal communication)とは、ジェスチャーや態度、表情など言語以外の要素によるメッセージのやり取りによるコミュニケーションのことです。
ノンバーバル・コミュニケーションの重要性を語るとき、よく挙げられるのがアメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが1971年に提唱した「メラビアンの法則」です。メラビアン博士は、話者が感情や態度と矛盾するメッセージを発した時、話者の振舞いが聞き手の受け止め方にどのように影響を及ぼすかを実験で測定しました。その結果、話者の印象は言語情報以外のノンバーバルな要素で9割がた決まってしまうことが分かったのです。
テレプレゼンスロボットは遠隔操作により動き回る、首を動かすなどの動作ができます。音声だけでなく、会話に併せて少し動くだけでコミュニケーションの質は格段に向上します。
労務管理上の問題を解決
テレワークの導入が進まない理由の一つに「労務管理の難しさ」があります。特に人事部門がテレワークに難色を示すのは、見えてないところでサボってるんじゃないの? という疑念を払拭できないことにあります。
個人的には、テレワークは好きなところで仕事をしていい制度ではなく、職務専念義務を果たすことが困難な場合に用いるツールという考えであり、登庁して仕事をすることが原則だと思います。ところが、テレワーク先進自治体と呼ばれているところでもこの制度を悪用して不当なサボタージュを行っている方が存在するのも(残念ながら)事実です。
この問題を解決するために、勤務ルールや業績評価手法の見直しに取り組む必要があるのですが、自治体の場合ドラスティックな人事制度の変革は期待できないため、労働の対価の根拠を成果ではなく労働時間に求めることが根強く残るでしょう。
そこで当社ではテレプレゼンスロボットの導入を提案しています。
テレプレゼンスロボットを導入すると、その場に「存在」できることから、場所の制約を取り除きながら就労の実態を目視できるようになります。
当社のサービスでもテレプレゼンスロボットを使っています
全国の自治体への支援
当社は全国の自治体に対してCIO補佐官業務サービスを提供しています。
外部人材による支援を求める自治体の多くは地方の中小規模自治体であり、潤沢な予算を確保できないところがほとんどです。その結果、庁内システムに関するガバナンスが機能せず、職員が苦戦する結果につながっています。そこで当社は訪問頻度を抑えながら、効果的な支援のあり方を模索する中で、テレプレゼンスロボットの活用に至りました。
テレプレゼンスロボットを導入することで、さらに多くの自治体の支援が現実的なコストでできるようになっています。