情報システム調達:モレなくダブりなくシステムの委託契約を行う工夫を(3)

CIO Contribution

自治市では、情報システムの運用、保守の業務を委託する部門の担当者に対して、標準委託仕様書の使い方を毎年研修しています。

ところで、このような取り組みにて、保守委託業務が切り出されることにより、

「保守とは何か」

という問題に向き合う機会が得られたのもよい成果でした。
(政治の話ではありませんよ)

これまでは、保守(特にソフトウェア保守)に対する解釈が案外いい加減でして、軽微なソフトウェア修正行為=ソフトウェア保守、と考えられていたんです。

JIS X 0161にはソフトウェア保守に関する記述があります。

そこから判断すると、規模や理由のいかんに関わらず、また有償、無償の区別なく、元々のソフトウェアが変化する行為は保守であると整理できます。
(関連するドキュメント類の更新も付随業務として該当します)

自治市のような行政機関は、事業執行に要する費用はあらかじめ予算化されていなければなりませんので、通年で発生するであろう保守作業の規模を推測して保守委託を行っています。

この予算獲得プロセスが曲解されて、さほど根拠のない保守委託金額が設定され、その委託契約を根拠として、あれもこれもソフトウェアの改修を突っ込んでいる、というのがこれまでの状態だったのです。

もともと保守委託金額に根拠が薄いため、契約ベンダーは何らかの事情で保守委託金額以上の作業を突っ込まれそうになると、とたんに態度を硬化させ、保守の範囲か否かでトラブルになることも時々見かける光景です。

私は委託者、受託者とも金額や委託内容に納得したうえで、よい関係を構築したいと考えています。

受託ベンダーの横暴は許しませんが、一方で発注者である自治市に対しても、優越的地位乱用や無知による不当な要求をさせないようにさせなければならないのです。

ソフトウェア保守とは何か、保守の規模は適正か、保守に至る理由は明確か、などをきちんと考えてほしいのです。

 

photo by: Dvortygirl

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