読書感想文らくらくキット:保護者の方、先生方へのお知らせ

Book Review Contribution University

夏休み、冬休みの読書感想文に子供たちが積極的に取り組んでもらえるように、

読書感想文らくらくキット
http://www.kawaguchi.com/webinar/kansou/

というページを作りました。

同じような趣旨のWebサイトは数多くあります。この「読書感想文らくらくキット」では、読書感想文の書き方(文章にする方法)ではなく、その手前にある「何を書くのか」を自分で見つけ出し、考えを表現するまでを段階的に支援する目的で作られています。

このツールに沿って作業を進めていくと、5つのシート(紙)が完成します。

文章としての読書感想文はこのシートを順番に文章化することで、子供自身の考えに基づく生き生きとした感想文になるようにしています。(文章の書き方のテクニックは私の方でお教えすることはできません。ご容赦ください)

保護者の方へ

「読書感想文らくらくキット」は、子供たちが無理なく本を読み、自分の考えを表現することを支援するツールです。

これはコーチングという考え方に基づき、私が大学の講義やゼミ、卒業研究において実施している手法を応用しています。

  1. 動機付け (その1に該当)
    「好きな部分を探す」ために本を読むという(多少不純な)動機付けをしています。
  2. 作業の実施  (その1に該当)
    「好きな部分を書き出す」作業は、単純に見えますが、子供が主体的に選択したものを書き写すことで、以降の作業に関心を向けさせています。
  3. 発見と内面化 (その2、その3に該当)
    語彙力が乏しい子供に「なぜ好きなのか」を問わせるのは、ハードルが高くなります。そこで、いくつかの選択肢を示し、これをきっかけに「好きな理由」を導き出します。
    さらに「好きな理由の補足説明」をさせることで、好きな理由を内面化(自分の物事として認識する)ことを目指します。
  4. 考察 (その3に該当)
    「好き」という一点に絞った作業をしているので、考察は「内面化した理由」と同じになります。このツールでは特に考察を書かせないようにしています。
  5. 考察をもとにした意見表明 (その4、その5に該当)
    子供は相手不在の意見表明をすることに慣れていません。そこで「登場人物」「作者」に向けたメッセージという形態で意見表明をさせるようにしています。
    その際、登場人物に対しては「応援」、作者に対しては「好意的評価」をするように勧めています。

私が在籍しているサイバー大学は、通信制大学というやや特殊な形態で運営しています。そのため、受講生の多くはすでに企業等で働いている社会人です。

実は社会人であっても、講義の中で必要とされる「調べる」「分析する」「まとめる」「発表する」スキルを習得しないまま大人になっている方がいらっしゃいます。このようなスキル(スタディスキル)を習得しないまま大学で学ぶのは困難ですので、子供のうちから養うことが望ましいと考えています。

読書感想文で劇的に何かが改善するとは思いませんが、スタディスキル向上のきっかけになれば。

先生方へ

読書感想文を提出させる目的は、それぞれの学校や先生方の事情によりますので、私の方から「こうあるべき」ということは申し上げません。

ただ、読書感想文を書くためには

  1. 本を読む
  2. 自分で考える・気づく
  3. 自分の考えや気づきを文章として表現する

という行為を順番に行わなければなりません。

子供たちが、これらの行為のどの部分で立ち止まるのかはわかりませんが、少なくとも上記1.と2.ができなければ、3.を達成させることは困難(不可能?)です。そこで無理なく1.と2.の行為を行わせることを目的として、このツールを作成した次第です。

もし、読書感想文の目的が上記1.や2.でよいのであれば、このツールは有用であろうと考えます。その時にはこのツールを使った成果物(5枚のシートに記入したもの)をご覧いただき、子供たちの思考のプロセスを評価していただけるようであれば幸甚です。

あるいは、上記3.の達成を求めるのであれば、このツールによる成果物をもとに感想文(私の見解ではもはや小論文)を構成する指導が求められるのではないかと思います。

「読書感想文らくらくキット」の作者について

この「読書感想文らくらくキット」の作者である川口弘行は、大学のビジネス系科目の教員です。

遠隔地教育(e-learning)の経験と、ビジネス分野のコンサルティング経験、コーチングの経験を有していますが、正規の教育学(特に初等教育)に関する知見を多く有しているわけではありません。

実は子供の発達レベルに関する知識がありません。そのため、ツールの中の言葉の難易度や表記について、そのレベルがまちまちです。どうかご容赦ください。

 

photo by: the bbp

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