地域情報化:低迷続きの電子申請分野に潜む本当の課題は何か(5)

CIO Contribution

前回の記事「地域情報化:低迷続きの電子申請分野に潜む本当の課題は何か(4)」の続きです。

前回はこんな感じでまとめていました。

郵送申請をベースにして考えると、いくつかの問題が解決します。

  • そもそも書面が存在するわけですから、従来どおり押印が可能となります。電子署名をするための電子証明書は不要です。
  • どうしても電磁的記録の送付が必要で、その記録に電子署名が必要というのならば、PDF文書にした上で、電子署名を付与することも可能です。それを媒体に記録して同封すればよいのです。(PDFは複数名の電子署名にも対応しています)
  • 到達に関するリスクも、現時点の一般人の感覚だと、実体が見えないオンライン経由よりも、実績のある郵送(書留や配達記録の信書便を指しますが、拡大解釈すればエクスパックや宅配便などもアリ)の方が安心するのではないでしょうか?
  • 電子申請のもたらすメリットを考えてみても、それが距離と時間の制約からの解放であるならば、役所の開庁時間に依存しないで申請できる(ポストに入れる、コンビニに行くなど)だけでも十分なメリットであるように思います。

もちろん、先進的なテクノロジーを駆使した手段を否定しませんが、名より実を取るのならば、こういうプランもきちんと検討するべきだと思うのです。

さて、この話を続けます。

手数料などの少額決済はどうでしょうか。電子申請で越えなければならないハードルの一つに申請手数料などの納付の問題があります。

以前の記事「地域情報化:低迷続きの電子申請分野に潜む本当の課題は何か(1)」においても、電子申請の利用件数が向上しない原因の一つとして、

  • 手数料支払い(特に少額)の取り扱いに決定的な解決策なし

を挙げていました。

ちなみに(前回もご紹介した)登記の場合は収入印紙を申請書に貼り付けることで決済可能です。自治体でも証紙(印紙と同じようなもの)での決済を行う手続もありますし、後払い決済として納付書を発行し、後日納入してもらう扱いも可能です。

これも現物を郵送させることで生じるメリットですね。

あるいは、もっと少額の決済を対象とする場合、電子マネーを使う方法も考えられます。記名式の電子マネーカード(SuicaやEdy)を郵送申請の際に同封するのです。決済する場合には、窓口で電子マネーから引き落とします。

電子マネーは決済履歴が残りますので、どの窓口でいくら引き落とされたかが判ります。また紛失した場合には、利用停止処理ができますので、不正な引き出しを極力防ぐこともできます。

もっとも、これを実現するためには電子マネー対応のレジ端末が必要ですけどね。でもMPN(マルチペイメントネットワーク:Pay-easy)よりも低コストで導入できるのではないでしょうか。

photo by: JD Hancock

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