さようなら、サイバー大学

Contribution University

以前からお知らせしていたとおり、本日をもってサイバー大学教員の職を辞します。

この大学には失望させられることもあったのですが、それでも得るべきものもありました。そこで私自身がプラスに感じたことを残しておきます。以下、メモ書き。

遠隔教育はそれほど悪くない

資格試験など学習のゴールが明確で、成否の基準が教育機関の外に存在している場合には、おそらくうまく機能する。しかし大学教育に適用するためには、いくつかの妥協(あるいはごまかし)をしなければならない。この妥協が受講生にとっては案外致命的であり、その結果、どのオンライン大学・大学院も期待外れに終わっている。

この要因に気づくことができたのは私にとってプラス。たぶん倒れそうなオンライン大学を建て直せる。将来のビジネスプランのために温存しておこう。

比較的優秀な学生もいる

割合としては少数だが、(事実上)入試の無い大学の割には優秀な学生がいたことが、私にとっては救いだった。私が感じる優秀な学生とは、

  • 自ら課題設定ができる
  • 自ら進捗管理ができる

ということであり、これは「私が一緒に仕事できる」というものと等価かもしれない。そもそも学生にこの種の能力を求めるのは筋違いなのだが、教員自身も大学教育を通じて学びたいし、成長したいのだ。この大学は社会人学生が多いため、私が感じる優秀さを持った学生と向き合えたことはラッキーだった。私の教育に対するモチベーションは純粋に彼らからもたらされたと言っても過言では無い。

とてもよい体験をさせてもらったのでプラス。

崩壊する組織特有の現象を間近で見ることができた

この大学の運営組織は新撰組と似ている。

新撰組は下級武士や武士階級でなかった者が組織化して、会津藩の後ろ盾を得て拡大し活躍するのだが、幕末の変化に対応できずに(対応する気も無かったと思われるが)弱体化し、瓦解してしまう。その過程で組織の中で仲間割れ、粛正が行われたことも付記しなくてはならない。

実は新撰組の局長である近藤勇は、後に幕臣にまで出世する。もちろん資質や能力によるものと言いたいところだが、大出世の背景には佐幕側の深刻な人材不足もあるように思える。また、新撰組の内部でも「局長」の下に「副長」がいるが、一方で「総長」という役職があったり、伊東甲子太郎に至っては「参謀」という役職が付いていたりと、何が何だか判らない状態である。

私が気持ち悪さを感じたのは、次のとおり。

  • 私がいきなり「准教授」として採用されたこと。(当時の自分の中ではあり得なかった。年齢的にも教育実績的にも今ならば受け入れられる)
  • 同じ人間が複数の役職を過剰なほど兼務していること。(4多重兼務ぐらいはある)
  • 去年まで平社員だった事務職員に「部長代行」という謎の役職が加わり、その後「部長」になったこと。(単なる役職インフレかもしれないが、見方によっては、いい話かも)
  • 組織がどんどん統廃合され、ごく少数の人間に権限が集中し始めたこと。
  • 私が在職した3年間で教員が少なくとも5名いなくなり、職員は10名以上いなくなったこと。(職員の数名は親会社への出向復帰だけど)

差し詰め、私は藤堂平助ぐらいの立ち位置なのかもしれない。(ちなみに藤堂平助は伊東甲子太郎と共に新撰組から離れようとしたところ、近藤勇たちに暗殺されてしまう)

こういう経験はなかなかできるものではない。本当に感謝しているのでプラス。

 

ということで、

 

「さようなら、サイバー大学」

 

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