経験により学んだこと(11)-メールのCc: は5名以上になると運用が崩壊する

Administrative Lawyer CIO Contribution Strategy

「5名以上」というのは、私の経験によるものであり、実際には多少の幅があるでしょう。ただ、いずれにしてもある一定数を越えた人数にCc:でメールを送る場合、よほど注意を払わなければ、情報共有という目的での運用は崩壊します。

これは、私が少し関与している組織(仕事上の組織かどうかは特に触れません)での話。

どうやら、その組織は内部の情報伝達にメール(普通のインターネットメール)を使っているようです。そして、組織内のスタッフがやりとりするメールは、全て組織を管理する人間(管理職)のアドレスをCc:で含めて送信するように指示されているようなのです。

つまり、全てのメールのやりとりを管理職に逐次報告しているということになります。まぁ、本当の私信はさすがにCc:に含めていないと思いますが、基本的にやりとりするメールは業務上の目的のはずですので、相当数のメールが管理職に届いているものと推察されます。

また、情報共有と言えば聞こえはいいですが、自分一人で責任を負いたくないような種類のメールはとにかくCc:で周囲の人間にも回し、誰が責任者なのか、誰が意思決定者なのかわからないまま、いたずらにメールの量が増えている傾向にあるようです。

そもそも、これだけメールの量が増えてくると、自分が処理すべきメールがどれなのか区別がつきづらくなります。もし、前述の管理職の方が何らかの使命感を持って、全てのCc:されたメールに目を通しているとするならば、ずいぶんとヒマな管理職です。

この場合、組織として権限移譲が適切に為されておらず、結果的に責任所在も曖昧になりがちです。

で、このような背景を持つ組織の方から、私宛にメールがありました。それは私がその方に送ったメールの返信なのですが、次のように書かれていたのです。

次回からはお手数ですが、誰宛のメールなのかを書いてください。

私は、複数の宛先にメールを送ったわけではなく、送信先の方個人に向けてメールを送っていたので、この返信には戸惑いました。誰宛のメールも何も、私からはCc:で他の誰かにメールを送っていることはなく、宛先を見れば本人のみに送っていることは明らかなのですが。

つまりメールの受け手は、そのメールが自分宛てのものなのか、単にCc:で回っているだけなのか、気づいていないということになります。本当にそれで良いのでしょうか?

経験的にCc:でメールの送り先が分散されると、受け手側は自分宛てに来たメールであるとの認識が薄くなり、対応が雑になるように思います。そもそも、そのメールを読んでいるのかも怪しいものです。これで情報共有が為されていると解釈されているのであれば、ビジネスチャンスを失う可能性もあり、非常に危険です。

実は港区では来年度に職員向けのグループウェアを入れ替えるのですが、その際に職員間のコミュニケーションのあり方についても、再度検討することとしています。個々の職員は非常に優秀ですので、職員間のコミュニケーションが現在よりももっと効果的に機能すれば、さらにプラスのシナジーを生み出すことも期待できます。

私が遭遇した残念な組織の事例を反面教師にして、港区ではよりよい情報共有の仕組みを作っていきたいと考えています。

 


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