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You are here: Home » 電子政府・電子申請 » 総務省電子代理申請実証実験報告(2004年8月10日)

総務省電子申請システムを使ってみました。

いろいろ言ってても結局自分自身で使ってみることに意義があります。

下記の内容で総務省電子申請システムによる電子代理申請実証実験を行いました。

  • 日時 平成16年8月10日(火) 16:00~18:00
  • 場所 日本行政書士会連合会 会長室
  • 参加者 行政書士 中西先生、古屋先生、赤地先生、富田先生、川口(記)

    日本行政書士会連合会事務局スタッフ、東京都行政書士会事務局スタッフ

  1. 実証実験の背景

    今回の実証実験は、「行政書士及び市民の立場から現在稼働している電子申請システムを実際に使ってみて、今まで見えなかった問題点を抽出する」ことを目的としました。

    また、電子証明書を使った電子署名が稼働するシステムで、行政書士電子証明書が(接続テストではなく)実際に使用できるのかどうか、正確にはシステム上では使用できると思われる行政書士電子証明書が実運用の上でも、個人を特定する手段として省庁側で処理してもらえるのかを検証することをもう一つの目的としました。

    電子省庁システム、電子自治体システムを設計開発しているベンダーや、電子政府を推進している省庁の担当者も、もちろん電子申請に将来向き合わなければならない行政書士も、その立場を離れて一個人として電子申請システムを使った経験がある人はまだ少ないのではないかと思います。限りなく素人の立場で言わせてもらえるのであれば、実際に使った事がないのに、さも知っているかのように電子申請を語るべきではないという自らの戒めを含んでいます。

    また、今回総務省の電子申請システムを選定した理由の一つに、e-Japan計画の中で総務省が電子政府・電子申請のオピニオンとして活躍していること、さらに省庁の中では早い段階から代理申請システムを稼働させていることが挙げられます。

  2. 申請案件と代理申請

    まず、総務省のサイトを見てみましょう。

    *拡大画面

    ここから、「電子申請・届出の窓口」をクリックします。

    *拡大画面

    総務省所管の電子申請案件はまだまだ一般の人には縁遠いものばかりです。実際、電子申請に限らず総務省本省及び関連する局に直接申請を行うこと自体があまりありません。

    その中で、今回は電波法に基づく「無線従事者の免許の申請」を申請案件として選ぶことにしました(正確には、これしか選びようがありませんでした)。もっとも、無線従事者免許は国家試験を受け、合格しなければ申請の資格ができません。そこで、私自身が申請者となるべく、国家試験を受験し合格するところから始めることになりました(受験、合格の経緯は省略)。

    結果的に申請者は川口個人。その上で、代理申請として行政書士の中西先生にこの免許の申請を委任する、とシナリオで実証実験をスタートさせることになりました。

  3. 電子委任状作成

    総務省の電子申請システムでは代理申請を行う際に、あらかじめ委任者から受任者への電子委任状をシステム上で作成し、その情報を登録しておく、という作業が必要になります。つまり委任状を先に申請先に預けてしまう仕組みになっているのです。

    先ほどの「電子申請・届出の窓口」画面の下の方に、「代理申請関係サブメニュー」というボタンがあるので、そこをクリックします。

    *拡大画面

    すると代理申請関係のサブメニューとして電子委任状の作成、登録や一度作成した電子委任状の内容確認、取り下げなどを行うことができます。

    *拡大画面

    ここで、「委任状の登録」ボタンをクリックして、実際に今回申請するための委任状を作成してみることにします。順に画面の流れを見てみましょう。

    *拡大画面

    まず、電子委任状を作成する前に今回のシステム利用者の連絡先メールアドレスを入力します。

    *拡大画面

    次に、どの申請を委任するのかを法令別に選択します。今回は電波法に基づく申請であることが最初から判っていたので素直に「電波法」を選びましたが、根拠法令がわからない場合に苦労しそうです。そもそも、申請を委任する側は「どう申請するのか」から判らない人が前提になる場合もありますので、このあたりのナビゲーションは再考してほしいところです。

    次に、委任者及び受任者の情報を入力します。今回のシステムはInternet Explorerを使い、その上に追加プログラムをダウンロードして入力画面を表示する仕組みとなっています。(おそらくActiveXコントロールを使用しています)

    画面を表示してしばらくすると、次々と下図のような確認メッセージが表示され、確認を促されます。

    *拡大画面

    *拡大画面

    これは入力画面に応じて逐次必要な追加プログラムをダウンロードする仕組みなのですが、通信環境がADSL程度であってもプログラムサイズがやや大きく、ダウンロードに時間がかかってしまいます。また、今回は原因は不明ですが必要な追加プログラムがダウンロードしきれずに通信が止まってしまいました。

    *拡大画面

    この状態のまま、処理を先に進めて見たところ、

    *拡大画面

    ・・・。あまりに不親切です。

    *拡大画面

    結局、再度トライしてみた画面が上記の画面です。正常に画面が表示できない場合と比較して、背景色が正常に表示されている、入力不可の箇所(登録年月日など)が間違いなく入力できない、など動作上の違いが残っています。

    電子委任状登録画面の下部には、委任の回数、委任の有効期間を入力するようになっています。これにより、無制限の委任を防止する仕組みとなっています。

    *拡大画面

    そして、委任者(今回は川口)の電子署名を行い、総務省のサーバに委任状情報を送信することになります。

    「電子署名」ボタンをクリックすると、次のような画面が表示されます。

    *拡大画面

    ここであらかじめ使用しているパソコンにインポート済みの電子証明書の一覧が表示されます。一番上の行が行政書士電子証明書、2行目は川口の会社の商業登記に基礎をおく電子証明書、3行目はWindowsに最初から入っているセットアップ用電子証明書です。

    細かい話になりますが、総務省の電子申請システムで電子署名を行う場合には、あらかじめ使用する電子証明書はパソコンにインポート(組み込み)しておかなければなりません。つまりパソコン自体に電子署名のための証明書(実印相当)を入れておく必要があります。

    これは危険です。電子証明書をインポートしたままのパソコンでは、そのパソコンを使えば他人でも電子署名ができる仕組みとなっています。外部ファイルでPKCS#12形式のファイルを読み込ませることができれば、多少危険性が軽減されます。(余談ですが、東京都の入札参加資格申請ではフロッピーディスクに格納されたPKCS#12形式のファイルを読むように設計されていて、証明書をパソコンにインポートして使わなくても良いようです)

    *拡大画面

    使用する電子証明書を選択すると、上図のように電子署名を行い、かつその内容が総務省のサーバに送信されます。ただし、システムがどうも安定していないようなので、常に入力した情報はその都度「ファイルに保存」ボタンを使って手元のパソコンに保存しておく方が安全です。というかそもそもそんなに安定しないシステムであること自体が非常に問題ですが。。。

    このお待ちください、のメッセージは場合によっては3~4分待たされます。この間に入力情報の形式チェック、電子証明書に記載されているデータと入力データとの整合性チェック、電子署名、データの送信が行われているようです。

    無事に処理が終了すると下図のような画面が表示されます。

    *拡大画面

    ちなみに、実際のものをプリントアウトするとこんな感じ。

    *PDFファイル

    これで、電子委任状は総務省のサーバに登録されているはずなので、作業はこれだけでよいのだと思いますが、画面をよく読んでみると、委任状登録証を手元のパソコンにダウンロードすることができるようです。「取得」ボタンをクリックします。

    *拡大画面

    上手のような画面が新しく表示されました。画面に従って、委任状登録証を取得してみることにしましょう。さらに「取得」ボタンをクリックします。

    *拡大画面

    すると下記のようなメッセージが表示されます。

    *拡大画面

    *拡大画面

    これで手元のパソコンにXML形式での電子委任状登録証ファイルがダウンロードできました。このファイルを何に使うのかは、この時点の私にはわかりません。が、何はともあれ、委任状は無事に作成することができたようです。

    実は、上記の流れでは、説明のためにスムーズに委任状を登録するようになっていますが、今回の実証実験ではこの方法が使えませんでした。

    え?

    いや、実はこの実験を行っている間に、意外な事実が判ってしまったのです。それは、

    無線従事者免許申請の電子委任状メニューが用意されていない

    つまりこういうことです。総務省の電子申請システムでは確かに代理申請のメニューはあります。しかし全ての申請で代理申請ができるということではない、のです。この事実が判明したときに私は非常に困りました。なぜ、委任状作成ができないのだろうか、と。

    そこで、電子委任状が作成できる申請案件と電子委任状が作成できない申請案件(無線従事者免許申請)では何が違うのかを確認してみることにしました。

    まず、電子委任状が作成できる申請(無線従事者養成課程の認定の申請)の電子申請メニューを見てみましょう。

    *拡大画面

    この時点で、申請者が本人か代理人かを選ぶようになっています。ここで代理人申請を選ぶと、

    *拡大画面

    申請者の情報に加えて、代理人の情報が入力できるようになっています。さらに代理人の欄には先ほど作成した電子委任状登録証のファイルを添付できるようになっています。(つまり、委任状登録証は必ずダウンロードしておく必要があるということのようです。全然知りませんでした)

    一方、電子委任状が作成できない申請(無線従事者免許申請)では電子申請の画面は次のとおりになっています。

    *拡大画面

    いきなり、申請者情報の入力となります。代理人での申請を選択することもできませんし、代理人申請用の入力画面も用意されていません。つまり、電子申請システムの設計の段階から、代理申請できる、できないを決定してプログラムを作成していることになります。

    この考え方は非常におかしい。代理申請を行うかどうかは、総務省や電子申請システム側が決めることではありません。あくまでも申請者側の意思にもとづく選択となるはずです。行政書士の申請代理に限らず、代理という行為は法で認められた権利でもあります。このあたりはシステム設計の際のリサーチ不足であると思います。どこのベンダーとは言いませんが、中途半端な代理申請では意味がありません。

    ということで、今回は一部方針を転換して、本人申請を行うことになりました。

  4. 本人申請で再度挑戦

    では、本人申請で無線従事者免許申請を電子申請してみることにしましょう。

    総務省の電子申請・届出の窓口から、「総務省所管の申請・届出等手続の案内」をクリックします。

    *拡大画面

    ここで、法令別の申請案件一覧がありますので、電波法の「無線従事者の免許の申請(別表第11号様式3)」を選択します。

    *拡大画面

    *拡大画面

    「電子申請システムによる手続に関する情報」を読んだ上で、下にある「電子申請・届出システムへ」のボタンをクリックします。

    *拡大画面

    ここで利用規約を読み、同意しなければ先に進めないようになっています。ひとまず「同意する」をクリック。

    *拡大画面

    電子委任状登録の時と同様に利用者の連絡用メールアドレスを登録します。今、このレポートを書いているときに改めて文面を読んでみたのですが、この画面でのメールアドレスの登録は任意のようです。何でも書かれていることはちゃんと読まなければなりませんね。

    *拡大画面

    今回の無線従事者免許申請は申請手数料がかかる申請となっています。そこで申請手数料の納付方法をこの画面で選択します。せっかくなので可能ならば電子納付を行うことにして、その旨を選択しました。

    *拡大画面

    申請情報を入力する前に、申請者の情報を入力します。この画面は代理申請の可否を確認した際に一度見ています。ここで申請者たる川口の情報を入力しました。

    ここで注意しておかなければならない事があります。

    申請者情報での住所入力は、電子証明書と同じ表記にしておかなければなりません。つまり、電子証明書での住所表記が世田谷区北沢○丁目○番○号ならば、世田谷区北沢○-○-○のように省略してはいけないようです。この後で電子署名をして申請データを送信するのですが、その際にエラーとなってしまいます。

    エラーになるだけならば前の画面に戻れそうなのですが、万が一申請データを入力後、申請システム(使用しているパソコンや回線も含む)に障害があった場合、再度同じ申請データを入力するのはイヤですから、「ファイルに保存」ボタンをクリックして申請データを保存しておくことにしました。

    *拡大画面

    これが申請データ保存先指定のダイヤログです。

    さて、「次へ」ボタンをクリックするとここで申請に必要な個別情報の入力画面に進みます。

    *拡大画面

    この画面で、申請資格、生年月日、受験番号、合格年月日等を入力します。さらに、この画面で住民票コード(いわゆる住基コード)を入力することで、本人確認のための資料を省略することができます。残念ながら、私の住基コードは封印して番号も覚えていないので、本人確認資料は別途郵送することになります。

    *拡大画面

    ・・・とぼんやりしていると、次々と追加プログラムのインストールダイヤログが現れます。申請データを入力している間もシステム側では追加プログラムの有無を確認していたようです。忘れた頃にこのダイヤログが開くので少し驚きました。

    *拡大画面

    また、今回の申請は免許証に貼りつける顔写真を併せて送信しなければなりません。もちろん添付が困難な場合は別途郵送することも可能なのですが、自分の顔写真をスキャナで取り込み、解像度、サイズとも調整したファイルを添付することにしました。

    ここまで入力して、念のために一度申請データをファイルに保存します。その後、「電子署名」ボタンをクリックし、電子署名を行ってから総務省のサーバに送信を行います。

    *拡大画面

    ちなみに入力データの不備があったり、顔写真が添付されていないと、上記のようなエラー画面が表示されます。

  5. 申請の完了

    *PDFファイル

    無事にデータ送信が行われると申請完了のメッセージが表示されます。上図はその画面を印刷して保存したものです。

    引き続き手数料の電子納付を行う予定としていたのですが、「手数料のお支払い」のボタンをクリックするとタイムアウトエラーと表示され、電子納付は確認できずじまいでした。

    申請後、何のリアクションもなく非常に不安でしたが、とにかく申請データは総務省に行っていると信じて(何かあったら申請番号を頼りに問い合わせを行うことにして)申請作業は終了することにしました。

  6. 申請後の作業

    申請を終えた後、まだ2つの作業が残っています。この作業を終えないと申請が完全に終了しません。

    • 別途郵送書類の送付

      別途郵送指定したものは、本人確認資料(住民票)、返信用封筒の2つです。本人確認資料は特に問題ないのですが、返信用封筒については少し頭を悩ませました。具体的な大きさの指定がどこにも書いていないのです。書かれているのは、「返信用切手を貼って、免許証が入る大きさの封筒」となっているだけです。

      免許証がどのぐらいのサイズなのかについての説明が一切見つからなかったのが気になります。常時携帯のものなのでおそらく運転免許証ぐらいのサイズだろうと推測して長形3号の封筒にしました。また、返信用切手が普通郵便なのか、書留なのか、配達証明なのか判らないままです。しょうがないので、普通郵便用の80円切手だけを貼っておきました。まだ免許が到着しないので、これで良いのかはわかりません。

    • 申請手数料の納付

      手数料の電子納付がうやむやのうちに実現できなかったので、申請完了通知の中にある納付番号などの情報を元に直接金融機関から納付しようと思い、近くのみずほ銀行銀座中央支店に行ってみました。

      納付番号などの書かれた申請完了通知のコピーを窓口に見せ、どうやって納付すればいいのかを聞いたところ、「これでは判らない」「納付書がないと納付できないのではないか」と言われ、途方に暮れました。近くの郵便局でも確認したのですが、同じような反応です。

      いよいよ直接総務省に確認しようかと思っていた時に、ふと気が付きました。

      これって、もしかしてATMで払い込むのでは?

      そうです。Pay-easy(ペイジー)って聞いたことがありますか?

      * ←こんなマークがATMに付いているのを見たことがありませんか?

      そうしてPay-easy対応のATMから電子納付を選択し納付番号等を入力すると、ちゃんと納付手続ができました。この手続自体はATMでの操作なのでそんなに難しくありません。振込するのと同じような手順です。

      ただ、申請完了通知の中には、Pay-easyのことは一切書かれていませんでした。銀行側も判らない、知らない、というのは根本的に電子納付システムの周知の努力が足りないのではないでしょうか? いくら黎明期であるとは言え、実際に利用する人がいるわけですから、大目に見てくれというのは筋が違います。

  7. 考察及び問題点

    ここまで何度も困ったり途方に暮れた電子申請も一連の手続をなんとか終えることができました。

    今の時点での電子申請システムの感想は次のとおりです。

    コンピュータシステムとしての電子申請システムは比較的良くできていると思う。システムの安定性向上は最大の課題だが、多種多様なユーザ環境を考慮するとかなり実用的なレベルだと思う。

    しかし「サービス」という点から見たこのシステムのレベルは最低である。そこには省庁、ベンダーの論理が色濃く残っており、申請者から見たユーザビリティは低い。「とりあえず作ってみました」的な電子申請システムは誰も利用しないし、費用対効果の点で疑問が残る。というか、ちゃんと設計に力を入れているのだろうか・・・

    現状では、この総務省の電子申請システムは「汎用受付システム」と位置づけられており、他の省庁でも総務省準拠の(というか同じ)電子申請システムが稼働しています。今回の申請は比較的軽微な申請であり、申請行為自体の複雑さがない分だけトラブルが少ない状態でしたが、これ以上の複雑な申請ではこの汎用受付システムでは持ちこたえられないだろうと想像します。

    これはコンピュータシステムとしての限界ではなく、システム設計思想の限界です。特定企業向けの専用システムではありませんので、運用マニュアルで対処してください、という考えは通用しません。どんな申請者が申請をしてくるのか判らないのです。「どのように使われるか」をきちんと想像できないのでは、できあがるものは常に「使いにくいもの」でしかありません。

  8. 次回の実験課題

    実は次の実験課題を用意しています。

    これも申請準備を進めているうちに判ったことなのですが、「無線局の申請」という申請があります。無線従事者が自分で無線局を開局する際に、コールサインを付与してもらう申請になるのですが、これも総務省の総合通信局所管の申請となっていて、電子申請が可能になっています。

    さらに注目すべきは、無線局の申請は、電子委任状作成が可能になっています。ということは、電子代理申請が今度こそ実現可能になるということです。現在、詳細を確認していますので、川口の無線従事者免許が届き次第次の実験準備に着手しようと考えています。そのときにはまたご報告いたします。

Created by admin
Last modified 2004-08-23 08:19 AM

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