この章では、ファイブフォースと呼ばれるフレームワークについて学んでいきましょう。特にファイブフォースを構成する競争要因とそれらの競争要因から受ける競争圧力について理解していきます。

ファイブフォースはポーターが発表した外部環境分析のためのフレームワークです。ポーターは経済学で用いられている基本的な理論を経営学の場に応用させることで、多くの企業に当てはめることができる一般的な原理を導き出しました。

スライドの図を見ると、自社という文字がありません。自社は中央の四角の中に競争業者と一緒にいる状況です。競争業者が身近にいる環境の中で、商品の仕入先である売り手、顧客である買い手など、現時点の競争要因がいることが判ります。また、今後ライバル企業になりそうな新規参入業者、全く新しい観点でライバルになり得る代替品など、多様な顔ぶれです。

自社を取り巻く競争要因は絶えず何らかの圧力を掛けています。これを競争圧力と呼ぶことにします。競争圧力はそれぞれの競争要因から発生し、異なる特性を持っています。

先ほど並べた5つの競争要因に競争圧力を書き加えたのが上のスライドです。赤字で示したのが競争圧力ですね。それぞれの名称は変な言い回しが含まれていますが、言葉の意味を深く考えずに、このような固有名詞だと思ってください。
 

スライドを見るとわかると思いますが、ファイブフォースでは、それぞれの競争圧力の強さの違いを分析するのです。ポーターは、競争圧力が相対的に弱いところを探して勝負することを勧めています。

いきなりファイブフォースに取り組んでもよいのですが、今回は一旦SWOT分析を行い、その後SWOTにおける外部環境であるO:機会とT:脅威からファイブフォースを導き出すことにしましょう。

T:脅威は文字どおり競争要因が生み出す脅威です。そのため競争圧力であると考えることができます。ファイブフォースではどの競争要因に由来するのかを考えて、いずれかの競争圧力に分類します。一方、O:機会は逆向きの競争圧力、つまり競争圧力を弱めるものであると考えると、整理しやすいでしょう。
 

さらに、ファイブフォース上でこれまで気づかなかった競争圧力を書き加えていきます。フレームワークの良いところは、あらかじめ思考の「枠」が用意されることで、モレやダブリを極力減らすことができるところにあります。SWOTだけでは気づかなかったことが、ここで導き出されるでしょう。

第2章のまとめです。
この章ではファイブフォースを構成する競争要因、競争圧力について学びました。

次章からはそれぞれの競争圧力について学んでいきます。