この章では、3つの基本戦略の中の「集中戦略」について学んでいきましょう。
集中戦略についても、その特徴とリスクを理解していくことにします。

3つの基本戦略の図では、網掛けになっている下の段の部分です。
コストのリーダーシップ戦略、差別化戦略との違いは、集中戦略は単独で行うというよりも、他の2つの戦略と組み合わせることが多いというところでしょう。

集中戦略について、ポーターはスライドにあるようなことを著書で語っています。
つまり、コストのリーダーシップ戦略、差別化戦略をより効果的に行うためにターゲットを絞り込むというのが、正しい使い方でしょう。

では、ターゲットはどのように切り分けて、どのように選択すればよいのでしょうか。
スライドにある楕円形の図は、ある何かの市場を示しています。ターゲット選択とは、市場をある観点で切り分けることから始めます。

市場の切り分けの視点として、人の属性というものが考えられます。
一見、様々な人に向けて作っている製品であっても、実際には人の属性に応じて工夫の仕方を変えていることもあるでしょう。
スライドでは自転車の事例を書いておきましたが、大人が欲しい自転車と子供が欲しい自転車は違うはずです。性別による違いはあるでしょうか? 職業では?

地域の属性によるターゲット選択というのも考えられます。
人の属性の一種としてとらえてもよいのですが、(スライドにはありませんが)個人ではなく企業を対象とした場合、その企業の立地場所による違いというのもあるかもしれません。
少なくとも国の違いによるターゲット選択は言語や風習の違いもあり、検討の余地がありそうです。

行動傾向というのも面白い切り口かもしれません。
シャンプーや洗剤などの製品について考える際に、始めての顧客に対する戦略とリピーターに対する戦略は明らかに異なります。詰め替え製品の需要はリピーターが中心でしょう。

 

マーケティングの世界ではSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)という考えがありますが、考え方はほぼ同じです。
重要なのは、様々なセグメントに資源を集中させることには限界があるため、集中するということは何かを捨てることと同じである認識を持つことです。

 

集中戦略によるリスクとして、スライドに例を挙げておきました。
いくらセグメントを絞っても、そこで得られる利益が小さければ効果がありません。またセグメントの大きさや境界は他社からの影響で常に変化していると考えるべきでしょう。

第4章のまとめです。
この章では「集中戦略」について学びました。

集中するということは、他の何かを捨てることなのです。
十分な分析と広い視点に基いて集中戦略を実践できるようになると良いですね。