この章では、3つの基本戦略のひとつである「差別化戦略」について学んでいきます。
特に差別化戦略の特徴と、この戦略の持つリスクを理解していきましょう。

3つの基本戦略の図では、網掛けになっている部分です。
第2章でノートパソコンの事例を採りあげました。その際、A社、B社が同じような性能の製品で、デザイン、ブランドにこだわらないという前提で話を進めました。逆に考えると、性能、デザイン、ブランドなどで他社との違いを作ることにより、競争の中で生き残る戦略と言えます。

差別化を図ろうとする際には、様々な切り口が考えられます。
スライドでは差別化の視点として、いくつかの例を挙げておきました。これらについて次のスライドで順に紹介します。
これらは私が思い付く程度のレベルですが、実際にはこれ以上の差別化のネタを発見することが、この戦略を成功に導く秘訣になるのかもしれません。

差別化の視点としてまず考えられるのが「製品そのものの差別化」です。
製品には形態、機能、技術、品質など様々な要素が付加されています。これらの要素において他社の製品との違いを打ち出すことが求められます。

製品そのものではなく、製品を取り巻くイメージやブランドも差別化の対象となりえます。
化粧品のCMを見ると、化粧品そのものの機能についてアピールしているものより、女優、モデルがなんとなくよさそうというイメージを喚起しているものが多いですね。
もし同じようなファミレスが並んでいた場合、知名度のあるファミレスの方に安心感を抱くのはブランドのなせる技でしょう。

 

顧客に対するサービスを差別化の切り口としている業種もあります。
損害保険は自己や災害に遭った際の金銭的な補償(保険金)を行うことが本来の主たる目的だと思うのですが、ロードサービスや24時間の事故対応などのサービスを付加して差別化を図っています。

少し変わったところでは、流通チャネルも差別化の対象となります。
iPhoneを使いたいのであれば、携帯電話会社の選択肢は狭くなりますね。週刊少年マンガ誌の一部では漫画家と独占契約を結び、○○先生の作品がよめるのは□□だけ!と宣伝していた時期もありました。最近では少なくなりましたが、街の電器屋さんは家電メーカーの特約店ばかりでした。

 

このように差別化を実現するにはどうすればよいのでしょうか?
スライドでは3つ挙げておきました。(他にもあると思います)
これらはどれも「何かを始める」ことによって実現します。そして何かを始めるにはコストが掛かるのです。

 

この戦略においても、実施するために負うリスクがあります。
スライドの3つのリスクはどれも重要です。
今は他社との違いを打ち出せても、それが違いでなくなったり、ひとりよがりの差別化を追求したり、違いなんてどうでもよいぐらいの価格差(コスト差につながる)があったりすれば、差別化も効力を失うのです。

 

第3章のまとめです。
この章では「差別化戦略」について学びました。
差別化がどのような切り口で行われ、どうすればいいのかのヒントがつかめたと思います。
しかしそれ以上に、差別化を維持したり、差別化を伝えることも重要であることが理解できたと思います。